「UFOに乗ってお出かけ」が現実に?世界初の全ダクト式トン級eVTOLが注目

日本語 |  2026-03-19 17:19:43

杨雨婷来源:人民網日本語版

微信扫码扫码下载客户端

 無人操縦の「UFO」のような銀色の飛行体が地面から浮上し、空中でホバリングと水平移動し、安定して着陸する。これはSF映画のワンシーンではなく、湖北省武漢市にある中国光谷低空経済産業パークの訓練場でこのほど実際に目にした光景だ。中国新聞網が伝えた。

 この「UFO」は「電鷹飛車」と名付けられた世界初の全ダクト式トン級電動垂直離着陸機(eVTOL)で、武漢の研究チームが独自に設計・開発した。中国外交部(外務省)の報道官が先日、SNS上で試験飛行の映像を紹介し、国内外で注目を集めた。

中国光谷低空経済産業パーク内に駐機する「電鷹飛車」(3月13日撮影・武一力)。

 電鷹飛車の機体は流線型で丸みを帯びており、最大サイズは6メートル未満、標準的な駐車スペース4台分に収まる大きさで、垂直離着陸が可能で、滑走路やヘリポートを必要としない。最大離陸重量は1.2トン、最大積載量は450キログラム、2時間の充電による航続距離は150キロメートルだ。

 機内には近未来感が漂っており、計器盤やハンドルはなく、長さ1メートルのタッチ式電子スクリーンが従来の操縦席に取って代わり、動画視聴や音楽再生などの娯楽機能も充実している。4つ並ぶレザーシートは広く快適で、身長180センチの乗客でもゆったり快適に過ごせるようになっている。

機内に搭載されている様々な娯楽機能(撮影・鄒浩)。

 電鷹飛車の産みの親で、湖北省ドローン業界協会会長の蔡暁東氏によると、デザインは映画「アバター」に登場する密林の中を自在に飛行する飛行体からインスピレーションを得たという。当時蔡氏は、「日常の暮らしの中で、こうした飛行体を飛ばすことはできないだろうか」と考えたという。

 当時、中国国内には参考となる成熟した事例がなく、ダクト設計や姿勢制御、動力配置といった重要工程はすべてゼロからの模索だった。ほぼすべての部品を独自に開発し、7年にわたり10回近いバージョンアップを経て、2025年7月、電鷹飛車はついに初飛行に成功した。

 最も注目される技術的ブレイクスルーは、機体を囲む8枚の「ステルスウイング」だ。開発チームはミリメートル単位の隙間制御技術を克服し、通常の航空機では露出しているローターを完全にダクト内に収めた。これにより、障害物との接触を効果的に防ぎ、都市のビル群や狭い路地でも安全に近接飛行ができるほか、騒音の低減にも効果を発揮している。

 蔡氏は、「これまでに140回以上の試験飛行を実施し、多数の極限シナリオも検証した。例えば高層ビル火災の救助を想定した試験では、建物の窓やベランダに文字通り接触するほど接近できるだけでなく、機体をベランダに接触・固定させることもできる。これにより、救助隊員が窓などを開けて、救助活動を行うことができる。このような能力は、現時点で世界のどの飛行体も実現していない」とした。

 一般市民が「UFO」で移動できるようになるまでには、あとどのくらいの月日が必要なのだろうか。蔡氏は、「電鷹飛車の初期用途は、物流輸送や航空救助であり、低空ネットワークの整備が進めば、5年以内に空中移動の実現が期待できる。実現すれば、乗客は配車アプリのようにスマートフォンでワンタップするだけで『空飛ぶタクシー』を呼び、交通渋滞を避けて、20キロの距離を約15分で移動できるようになる見込みだ」と明かした。

 現在、電鷹飛車にはすでに注文の意向を示す問い合わせが多数寄せられており、顧客の多くは東南アジアや中東地域からで、主に島嶼部への物資輸送や低空観光などの用途が想定されている。

 蔡氏は、「湖北省は自動車や船舶産業の基盤がしっかりしているほか、大学も集中しており、十分な人材が蓄積されている。こうした条件が低空経済(低空域飛行活動による経済形態)の発展の基礎を築いており、世界の低空経済分野において強い競争力を形成していくだろう」との見方を示した。(編集KN)

责任编辑:杨雨婷