2000キロを越え、8000トンのグリーンメタノールによる「ゼロカーボン給油」

日本語 |  2026-08-26 16:54:58

杨雨婷来源:人民網日本語版

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 8月17日、上海洋山港の緑華山錨地では、フランスの海運大手CMA CGM傘下の大型船「OSMIUM(オスミウム)」が静かに停泊し、特別な「給油」を待っていた。メタノールバンカリング船「海港致遠」がしっかりと接舷すると、吉林省洮南市を主な供給地とする8000トンのグリーンメタノールが燃料タンクに順調に注入された。これにより、1回の注入量としての世界最高記録が更新された。中国新聞網が伝えた。

 上海電気洮南グリーンメタノールプロジェクト責任者の倪建軍氏は、「以前のメタノール二元燃料船では、注入量は500トンや1000トン程度で、多くても4000トンを超えることはなかった。1隻の船でメタノールタンクを本当に満タンにしたことは一度もなかった。今回は『可能性』を『実行可能なもの』に変えた」と話す。

 洮南の農地にあるトウモロコシの茎が2000キロメートルを越えて運ばれ、大型船のクリーンな「食料」となることで、中国のグリーン燃料産業は初めて、大規模生産、地域をまたぐ貯蔵・輸送、国際船舶への利用までを含むサプライチェーン全体を網羅するクローズドループの検証を完了した。

 洮南は中国東北部の松遼クリーンエネルギー拠点に位置する主要な穀物生産県だ。かつて、トウモロコシの茎は廃棄されるか、現地で焼却されていた。現在では、農家には1ヘクタール当たり年間1000元近くの増収をもたらす資源として買い取られ、船舶のクリーン燃料へと姿を変えている。

 この変化をもたらしたのが、上海電気の洮南グリーンメタノールプロジェクトだ。これは、グリーン電力とバイオマスを組み合わせてグリーンメタノールを大規模生産する世界初の工場だ。プロジェクトでは、現地の農業廃棄物であるトウモロコシの茎と風力・太陽光によるグリーン電力を利用し、独自開発した純酸素加圧バイオマスガス化や風力発電による柔軟な水素製造などのコア技術を採用している。年間100万トンのトウモロコシの茎を利用し、従来の石炭由来メタノールと比べて炭素排出量を65%以上削減する。

 グリーン燃料の「生産と利用の分離」は世界的な課題となっている。グリーン燃料の生産は再生可能エネルギーが豊富な中国北部に集中する一方、燃料供給の需要は東南沿海部の港湾に集中しており、複雑な貯蔵・輸送物流網の構築が、これまで商業化を阻む主なボトルネックとなっていた。中国は「北部のバイオマス+風力・太陽光資源」と「南部の港湾需要」を同時に備える数少ない国の一つだ。今年6月、上海国際海運グリーン燃料持続可能な発展大会で、「吉林・洮南で生産→大連港で中継・貯蔵→上海港で注入」という北部で生産したメタノールを南部へ輸送するルートが開通するよう、上海、吉林、遼寧の3地域は「グリーン燃料輸送回廊」の共同建設を正式に開始した。このルートの開通は、「北部で生産し、沿海部で利用する」という構造的なミスマッチを解決するための体系的な答えを示しただけでなく、大規模かつ常態化した陸海複合輸送によって物流コストを効果的に引き下げ、グリーンメタノールの商業化プロセスを推進するものとなっている。

 8月20日、洮南第2期プロジェクトが正式に始動した。年間20万トンのグリーンメタノールと1万トンの持続可能な航空燃料(SAF)の生産を計画しており、中国国家グリーン発展基金が筆頭出資者となっている。2028年の完成・稼働開始を予定している。

 8月5日、国家エネルギー局は「中国グリーン燃料発展報告(2026)」を発表した。同報告によると、2025年、中国のグリーンメタノール生産能力は世界全体の約60.3%を占め、グリーン合成アンモニアは約79.5%を占めた。世界メタノール業界協会(シンガポール)北京代表処の首席代表、趙凱氏は、「グリーン燃料は『新三種の神器』に続く、中国のグリーン輸出の『新四種の神器』になるだろう」としている。(編集YF)

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