高齢者介護の現場に進出する「サイバー介護士」
日本語 | 2026-10-16 14:59:29
杨雨婷来源:人民網日本語版
民政部(省)と全国老齢活動委員会弁公室は先ごろ、「2025年度国家老齢事業発展報告」を発表した。それによると、2025年末時点で全国の60歳以上の高齢者人口は3億2338万人に達し、総人口の23%を占めた。高齢化が加速し続ける中、いかにしてシルバー世代が快適で尊厳のある老後を過ごせるかが、新時代における民生保障と社会ガバナンスにおいて解決すべき課題となっている。科技日報が伝えた。
近年、高齢層向けのテクノロジー製品が相次いで発売され、リハビリ、安全確保、生活介助など、高齢者が抱える課題の解決を支援し、技術的手段によってシルバー世代の生活を支えている。極限まで軽量化された「ステルスロボット」から、コンマ数秒で素早く作動する転倒防止ベスト、さらにはワンタッチで呼び出すことができ、自動汚物処理・洗浄機能を備えたトイレロボットに至る「サイバー介護士」は、高齢者介護の様々な現場に進出し、ますます多くの高齢者がその利便性を享受している。
理学療法士の指導の下、外骨格ロボットを装着してリハビリ訓練を行う患者。(撮影・顧彬彬)
■歩行を支援する「ステルスロボット」
今年9月に開催された「2026中国国際福祉博覧会」の会場で、ある特殊な外骨格ロボットが多くの来場者の注目を集めた。従来の外骨格ロボットが大型で重く、病院やリハビリ施設での使用が一般的であるのに対して、この製品は非常に軽量で、装着してもほとんど目立たないため、「ステルスロボット」と名付けられた。
このロボットは湖南軼疆医療科技有限公司が開発したもので、対麻痺や片麻痺、下肢筋力低下などを抱える人々を対象としている。同社の段栄瓊副社長によると、「ステルスロボット」は本体の厚さがわずか2センチメートルで、身体に柔らかくフィットし、普段着の下に直接装着できる。高齢ユーザーにとっては、軽量設計によって使用のハードルが下がるうえ、目立たない外観により、周囲からの注目を避けることができ、心理的負担の軽減に寄与する。
このロボットの本当のブレイクスルーは、単に軽量にとどまらず、使用者の行動意図を正確に理解できる点にある。段副社長は取材に対し、「自社開発のAIアルゴリズムにより、同ロボットは使用者の歩行リズムをリアルタイムで予測できる。ユーザーが歩き出す瞬間にそれに合わせて動力が供給され、足を踏み出す動作をアシストする。ゆっくり歩くときには緩やかなアシストを提供し、歩調を速めると、それに応じてアシストも強まる」と話す。
雲南省玉渓市出身の龍さんは、「ステルスロボット」の使用者の一人だ。幼少期にポリオを患い、長らく杖を頼りに歩いていた。龍さんは、「このロボットのおかげで、しっかりと立ち上がれるようになっただけでなく、40年以上ぶりに自分の力で歩けるようになった。両手を自由に使え、背筋も伸ばせるようになった。このロボットによって、健常者と同じ身体機能を得られるわけではないが、一歩踏み出した時に身体が自分の意志に従って前へ進む体験に、その場で涙がこぼれた」と率直な思いを語る。
■安全を確保する転倒防止ベスト
転倒防止ベストの体験現場では、このベストを着用した体験者がまっすぐ地面に倒れても、全く無傷である様子だった。体験者が転倒した瞬間、ベストから柔らかいエアバッグが飛び出し、着用者の頭部、首、腰などの重要な部位を包み込むことができたからだ。
蘇州衣帯保智能技術有限公司のマーケティングディレクターである梁晟氏によると、この転倒防止ベストにはデュアルセンサーとAIチップが搭載されており、高精度の姿勢感知とインテリジェント識別機能を備えている。人体の運動姿勢をリアルタイムで捉え、ミリメートル単位で動作の軌跡を監視できる。このベストの最大の強みは、反応速度の速さと判断の正確さにある。日常の動作と不慮の転倒を的確に識別できるため、高齢者が普段どおりに腰をかがめたり、椅子に座ったり、ゆっくり歩いたりしても、エアバッグが誤作動することはない。一方、身体のバランスが崩れたことを感知し、転倒の兆候を予測すると、0.15秒以内にエアバッグを展開できる。
また、即時の衝撃緩和機能に加え、ベストには遠隔アラート機能も備わっている。転倒が発生すると、高齢者の子どもやホームドクターなど、緊急連絡先に自動で通知し、速やかな救助活動につなげることができる。
■尊厳を守るAIトイレロボット
高齢者が安全かつ尊厳を保ちながら、自分でトイレを利用できるようにするにはどうすればいいか。拓邦股份傘下の深セン躍上ロボット有限公司が開発したトイレロボットは、新たなソリューションを提示している。
このトイレロボットは、身体が不自由でも自力でトイレを使いたいという人々を対象に設計されている。高齢者がトイレに行きたくなったら、「ワンタッチ呼出」を行うだけで、ロボットがそばまでやって来る。ユーザーは他人の介助を受けることなく、ロボットに備えられた便座を利用して用を足すことができる。使用後には、ロボットが自動的に汚物を除去し、洗浄を行う。操作が簡単で、高齢者にとって使いやすいだけでなく、介護負担も大幅に軽減できる。
さらに、このロボットには細やかな配慮と優れた機動性が備わっている。ユーザーのプライバシーを守るため、カメラ映像に頼らない障害物回避方式を採用。15個の非視覚センサーを搭載し、AIによる立体的障害物回避システムと組み合わせることで、周囲の環境を素早く感知し、自律的に障害物を回避しながらリアルタイムで経路を調整でき、昼夜を問わず障害物回避の精度が維持される。(編集NA)
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